雨上がりには好きだといってシリーズとは
演劇部等でも上演できる60分の学生モノをつくろう!と2013年に構想スタート。
「相合傘」をモチーフに、相手のしあわせを考える。
雨を止ませることはできないけれど、雨の中でどう楽しんで過ごすかを問いかける。
横浜にある架空の高校「県立横南高校」の廃校までの最後の1年を描く連作青春群像劇。
(構想スタートの年がベースにあるので、時代は2013年度を想定しています)
先にゆく者とのこされた者。命。生きること。愛することをまっすぐに見つめます。
奇跡のような不思議な出来事の起きる、美しい世界観に触れられます。
虹の素の贈る、学生の学生による学生のための作品!


作品一覧/登場人物相関図
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それは、消えゆく運命の前に起きた小さな奇跡
『フリューゲルの風』
Vol.1 March
「フリューゲルスは最後に風を起こしたの。
私たちの中に熱い気持ちだけを残して、あっという間に消えた」
元サッカー部のマネージャーの千帆は、あと1年で学校がなくなることを知らされた
サッカー部員達に、かつてJリーグのチームだった横浜フリューゲルスの話をする。
千帆に想いを寄せる翼と、千帆が想いを寄せる颯太。
どうして想えば想うほど、傷つき傷つけてしまうのだろう。
恋と友情の狭間で悩む、4人の高校生の物語。
出演人数 : ♂4人 ♀3人 全7人



それは、君に伝えたいたったひとつの言葉を探す旅
『アインブラットの本』
Vol.2 April
「その人の好きな本を読むってことは、
その人の思想や価値観を共有することになる」
書店の娘の二葉は、図書室の本の貸し出し名簿に亡き姉の名前を見つける。
教育実習生で、姉のかつての恋人であった龍之介と、
喧嘩別れしたまま逝ってしまった姉が生前、何を考えていたのかを探るべく、
姉が大好きで何回も読み返していた、愛読書を探す。
出演人数 : ♂4~5人 ♀5~6人 全10人



それは、目が眩むほどの君がのこした
見つめる先の世界の輝き
『リヒトの色』
Vol.3 May
この学校の美術準備室の壁には、美しい天使の絵が描かれている。
今から25年前に、当時美術部だった男子生徒が描いてのこした天使の絵は、
多くの生徒を魅了してきたが、時の流れと共に、汚れや劣化が目立ってきた。
進路に悩む美術部のひかりに先生は提案する。
「この絵、修復してみない?」
修復とは何か、恋とは何か、私とは何か。
絵と向き合い、作者と向き合い、自分と向き合う。
彼女の挑戦が始まった。
出演人数 : ♂1~3人 ♀7~9人 全10人



それは、未来へ送るための君の生きた時間の結晶
『オルテンシアの種』
Vol.4 June
美術部のひかりは先生の作ったタイムマシンによって、
25年前の学校にやってくる。
そこで、美術準備室の壁に描かれた天使の絵のモデルの少女、陽花と出会う。
余命わずかの陽花のために仲間たちは、教室で手作りの結婚式を開く。
明日も、明後日もその先も、当たり前にいられると思っていた。
陽花と過ごす最後の5分、なにをしようか。
出演人数 : ♂4~6人 ♀7~8人 全12~13人



それは、彼方から受け取るための僕たちの
生きてく場所のほんの片隅
『ダーフォの国』
Vol.5 July
7月6日、午後7:00。日本中の明かりが消えるまで残り1時間。
横浜でも天の川が見れるなんていったい誰が想像したでしょう。
奇跡を待つまでの少しの時間、私たちはこの教室から電波を飛ばす。
いつもは口に出せない心に秘めた思いを、手紙を結んだヘリウム風船のように、
海に流したボトルメールのように、夜空の川へとはなすんだ。
出演人数 : ♂0~7人 ♀6~13人 全9~13人



それは、女の子なら誰もがときめく夢のような恋の憧れ
『オリキュレールの糸』
Vol.6 August
親友のジャスミンが、後輩のアリエルに彼氏を奪われた。
引きこもったまま連絡がつかない。失恋て、死にたくなるほど悲しいらしい。
たった1度の17歳の夏休みだというのに、
蒸し暑い教室で補習のプリントを眺めている。
かわいくなりたい、彼氏が欲しい、青春したい。
でも、落ちるのはこわい。 あと一歩踏み出すには、生きてくための勇気が必要。
出演人数 : ♂2~4人 ♀6~8人 全10人



それは、この暗闇を切り裂くような
鋭く尖った僕らの心
『シンの月』
Vol.7 September
文化祭2日前、クラスの出し物のモザイクアートが燃やされた。
なくなるよ。当たり前に思っていたものなんて簡単になくなるよ。
嵐の文化祭前夜、つくりなおして間に合わせようと、
生徒たちは夜の校舎に忍び込む。
「俺のせいだから」「私が悪いの」
写真を貼りながら語られていく、それぞれの思い。
ピースとピースが集まって、大きなピースになりますように。
出演人数 : ♂2~4人 ♀5~6人 全8~9人



それは、好きと嫌いと不安と希望を
ひっくりかえした青春舞台
『ユウェルの箱』
Vol.8 October
あのね!高校演劇の制限時間は1時間!60ミニッツ!3600セコンズ!
密な作品にするために、1秒たりとも無駄にはできないの!
全国大会に出場し、演劇部を引退した3年生たち。
「私はまた舞台に立つんだ」
「私はもう舞台に立てない」
「私はもう舞台に立たない」
「私はまた舞台に立ちたい」
それぞれ進路や恋に悩む。青春の舞台はまだ終わらない。
出演人数 : ♂2人 ♀7人 全9人



それは、誰にも見向きもされずに、
見つけられるのをじっと待ってる
『ノウェンの音』
Vol.9 November
保健室登校のアイリは、11月限定の臨時養護教諭の神楽にあることを命じられる。
「この学校内にある11月を探してください」
10月のハロウィンが終わると、街はすぐに12月のクリスマスの装いに変わる。
誰にも見向きもされない11月を取り戻すため、
誰にも見向きもされない自分とたたかうため、
アイリは「小さい秋」を見つけにいく。
出演人数 : ♂1~2人 ♀4~5人 全6人



それは、みんなと違うとうつむいていた
ピカピカ光る優しい誇り
『レインディアの鼻』
Vol.10 December
演劇部のクリスマス公演は、すったもんだの末に本番の日を迎えた。
それまで脚本・演出を担当していた部員が退部し、後輩のレミは初めて脚本を書いた。
部活内恋愛はキャスティングにまで干渉し、新しい演出担当は稽古に四苦八苦、部長も皆をまとめるには頼りない。
引退した先輩の親切心も正直お節介。一年生は好き勝手し放題。
演目は「赤鼻のトナカイ」
色んな感情を全部飲み込んで、演劇部員たちは、舞台に立つ。
出演人数 : ♂3人 ♀10人 全13人



それは、まだ何にも染まっていない
真っ白な美しい世界の始まり
『ヴィティの声』
Vol.11 January
雪の日って、どうしてこんなにも特別なのだろう。
好きな人に思わず電話したくなっちゃうし、
いつも以上に会えなくて寂しくなっちゃうし、
電車もバスも遅れて、人生って思い通りにいかないって思うし、
ただ普通に歩くことすら、当たり前じゃなく難しいって思い出す。
静寂な世界に耳を澄ませて、何かに想いを馳せずにはいられなくなる。
願いはどこから来て、どこへいくのでしょう。
なぜ人は、誰にも教わらないのに人を好きになることを覚えるの。
この世界で一番早いものってなんでしょう。
私たちが言葉を持たずに生まれてくるのは、どうして。
無線部は今日も、一方的に語りかけてくる謎の電波に耳を傾ける。
誰かと繋がることは、こんなにも困難で、不安定で、切なくて、尊くて、愛おしい。
出演人数 : ♂3人 ♀6人 全9人
